トレーニングの原理原則
#1 栄光に向かって走るあの列車に乗って行こう
#5 犬は飼い主に似る~速筋・遅筋~
#6 成果をあげるコツがある! ~過負荷の原理~
#9 成果をあげるコツがある! ~可逆性の原理~
#14 成果をあげるコツがある! ~特異性の原理~
#19 精神は肉体を超えるのか?
#20 子どもの成長曲線
競技パフォーマンス編
栄養編
休養、コンディショニング編
#20 子どもの成長曲線
2015/04/13
久しぶりに長男(8歳)のスイミングスクールを見学しました。どうやら今はバタフライを練習中のようです。わが子ながら上手に泳いでいます。
みなさん「スキャモンの発育曲線」をご存知でしょうか?
子どもの器官や機能の発育発達はその年齢によって発達スピードが違ってくるというものです。(図1参照)
体全体が均一に成長するのではなく、年代によって成長する部分に差があるということです。
スポーツの世界ではよく見かける図ですが、年代によって成長している部分と未発達の部分があるわけですから、大人のトレーニングをそのまま子どもに当てはめるのではなく年代に応じてトレーニング処方していきましょうということです。
神経型はリズム感や体を動かすことの器用さを表しますが、生後から6、7歳くらいまで一気に発達して、その後の発達は緩やかなものとなっています。自転車、なわとび、ボール遊び、、、この発達スピードが高い時期に多種多様な動きを経験させることがその後のスポーツ活動に大きく影響するようです。
一般型は骨格、呼吸器、循環器の発達をあらわします。12歳から16歳くらいまで(中学生で)急激に伸びています。この時期は身長(骨)が大きく伸びるため、大きな負荷をかけるトレーニングは関節や骨への負荷が障害の原因になりやすいといえます。この時期は持久系の能力を高めることが適しているようです。
我々が指導する筋トレですが、筋肉の成長は生殖器型の曲線に当てはまります。男性ホルモンの分泌が盛んになる16歳から20歳くらいが筋トレのベストのタイミングと言えます。
したがって高校生が筋トレに励むのは必然と言えるでしょう。だからこそ正しい知識で正しいトレーニングを実践していくことが必須ですね。
ひとつよく高校生から、幼少期にあまり体を動かすことをしなかったから運動神経が悪いということを聞きます。
上の図を見るとそう思うかもしれませんが、決して手遅れということではありません。新しい動きの神経回路は大人になっても作られます。努力によって一流の動きを身につける選手もいます。
また高校世代でしっかりとした体作りができれば、多少強度の強い動きの反復練習にも耐えられるようになり、複雑な動きも力強くマスターできるようになります。
何事もネガティブに見るのではなく、ポジティブに見てみることも大事です。
さてスキャモンの発育発達曲線を見る限り、
息子がバタフライの複雑な動きをマスターすることも、高校生がパフォーマンスアップのために筋肉を鍛えることも、
今まさにベストなタイミングで最も効率的に成果をあげてくれそうです。
トレーナーズベース長崎 林龍一
参照:ザバスHP http://www.meiji.co.jp/sports/savas/lecture/training_f1_2.php