#17  熱中症~服装対策~

2014/08/11


私は中学校の時は野球部に所属していましたが、監督や先輩から
「練習中に水を飲むな」と言われていました。
理由など考えたことはありませんが、そういう理不尽なことこそ野球部らしいという時代だったのでしょう。

当時、熱中症という知識や理解がどれだけ普及していたのかは分かりませんが、おそらく熱中症だろうという状況になれば日陰で休め、水が飲めるという、中学生らしい発想で夏を乗り切っていた記憶はあります。





20年前とは夏そのものが違うような気もしますが、
今も昔も熱中症はアスリートが夏に最も注意しなければならないことです。


今夏もすでに私の指導先の選手で熱中症で倒れたという報告を何件か受けています。幸い大事には至っていないということですが、重篤な場合命に関わることもあるので、選手自身も我々指導者も細心の注意を払わなければなりません。
こまめな水分補給、ミネラル補給だけでなく、普段から睡眠や栄養など体調管理をしっかり行うことが大事だと思います。


最近気になることは、スポーツ別に見て野球部の選手がサッカー部やラグビー部の選手と比べて熱中症にかかるケースが多いような気がしている点です。
水分補給やミネラル補給は徹底して行っています。睡眠時間など体調管理もできています。練習時間はやや他の部と比べて長い場合がありますが、トータルの運動量はサッカーやラグビーの方がはるかに多いはずです。




違いは何なのか?
それは活動時の服装にあるのではないでしょうか。
短パン、半袖シャツで練習するサッカー部やラグビー部に比べ、野球部のユニフォームを思い浮かべてみてください。

厚手の生地のユニフォームの下には、これまた厚手のスライディングパンツ、流行りなのか夏でもハイネック・長袖のアンダーシャツ、ロングソックスの上にアンダーストッキング、メッシュでない帽子、と全身を覆った着こなしとなります。


人は汗をかき、その汗を蒸発させることで体温を下げます。
皮膚の露出面積が多い服装であるサッカーやラグビーは、汗は外気に触れるとすぐに蒸発して体温を下げてくれます。

しかし野球の場合、汗は外気に触れないユニフォームの中で蒸れた状態になり体温はより高温に、ユニフォームの中はより多湿な状態になります。


高温多湿な環境で激しく連続した運動をおこなうことで、熱中症を引き起こすリスクを高めます。野球のユニフォームはまさに夏の炎天下には相応しくない格好と言えるでしょう。


しかし、野球をするにあたり最も安全で効果的な格好であることも確かなのです。短パンにTシャツという格好では野球の、緻密でダイナミックな動きはできないでしょう。


知っておくべきは、この服装が熱中症になりやすい格好だということです。
こまめにアンダーシャツを着替えることで皮膚に出た汗を外気に触れさせ体温を下げてあげたり、帽子を脱いで中にこもった蒸した空気を排気したりして、体の状態が高温多湿にならないような工夫をすることが大切だと思います。


水分やミネラルの補給、体調管理とともに服装にともなう対策も万全にすることで、今年の熱い(暑い)夏を乗り切って、秋以降の結果に繋げていきましょう。



トレーナーズベース長崎  林 龍一